トヨタのアルファード、ヴェルファイア、エスクァイアのコーティングには、

  1. トヨタ純正コーティング「QMIセンチュリオンコート」
  2. 専門店のガラスコーティング
  3. キーパーのガラス系コーティング

が選択肢として検討されることが多いです。

また、アル・ヴェルなどの大きな車は洗車やメンテナンスに手間がかかってしまうため、できるだけ汚れないようにしたいという方も多く、汚れ防止のためとしてコーティングは人気が高いです。

コーティングにはツヤや輝きを出す効果もあれば、汚れを防止する効果もあり、正直どれも同じに思えて選び方がわからないというご質問も多くいただきます。

今回は、トヨタのコーティングの選び方を解説していきますが、特にアル・ヴェルなどの大きな車におすすめのコーティングを紹介します。

ポイントは、耐久性とコスパです。

コーティングは決して安いものではありません。後悔しないためにも慎重に選びたいものです。特に、ディーラーに任せておけば安心だと思われている方は要注意です。ディーラーから見積もりをもらい検討している方はぜひ参考にしてください。

トヨタのコーティング効果の違いを比較

先に挙げたように、トヨタの中でも大きな車に施工するコーティングとして選ばれるのは、

  1. トヨタ純正コーティング「QMIセンチュリオンコート」
  2. 専門店のガラスコーティング
  3. キーパーのガラス系コーティング

こちらの3つのコーティングですが、それぞれどのような違いがあるのか比較していきます。

アルファード・ヴェルファイアにガラスコーティングをおすすめする3つの理由

アルファードのガラスコーティング施工後の写真(右斜め後ろから)

洗車やメンテナンスが楽になる

まず一番のメリットは、洗車が楽になることです。その理由は、ガラスコーティングをすれば、水洗いだけで大方の汚れが落ちるようになるからです。

また、コーティングを施工した車は洗車機の利用がタブーとされていますが、品質の高いガラスコーティングであれば洗車機に入れても問題ないものもあります。日頃、手洗い洗車をしない方や忙しい方も簡単にメンテナンスができるという点でもガラスコーティングは最適です。

特にアルファードやヴェルファイアのような車体が大きく車高も高い場合には、このメリットは非常に大きいといえるでしょう。洗車にかかる時間が大幅に短縮できますし、手の届かないルーフの洗車も簡単になるからです。

また、洗車に時間がかかるとボディについた水滴が蒸発してイオンデポジットを作ってしまいますが、洗車時間の短縮により、こうしたダメージを防ぐことにもなります。

傷を防ぐのはガラスコーティングだけ

コーティングの3大効果としては、

  • ボディの艶や輝きが増す
  • 汚れを防ぐ(洗車が楽になる)
  • 傷を防ぐ

このように言われていますが、3つ目の傷を防ぐ効果が高いのはガラスコーティングです。ガラスコーティングの耐久性は、ハサミで叩いても傷がつかないほど優れたものがあります。

一方で、その他のポリマーコーティングやガラス系コーティングは、皮膜が柔らかく簡単に傷がつきやすくなってしまいます。

アルファードやヴェルファイアのように車体の大きな車は、道路脇の枝葉に擦れてしまうこともよくあります。また、洗車に時間がかかるため、拭きあげる時についつい力が入りタオルの磨き傷ができてしまうこともあります。さらに、小さなお子様がいらっしゃる場合には、細かな引っかき傷が多発しているなんてこもあるでしょう。

これではせっかくのアルファードやヴェルファイアも線傷が原因でくすんだボディになってしまいます。

ルーフの塗装剥がれを防ぐ

アルファードやヴェルファイアのトラブルとしてよく耳にするのが、ルーフの塗装剥がれです。水ぶくれのようなダメージが現れ、そこから塗装剥がれが広がってしまうケースがあるようです。

トヨタの場合、新車登録から3年間は塗装保証がありますが、それを超えた場合には有償で修理することになり、6万円から9万円もの費用がかかってしまいます。

こうした塗装剥がれの原因は、塗装工程の不備や紫外線によるダメージの場合が多いのですが、そのような場合でも保証期間を超えていれば対象外となってしまうため注意が必要です。

しかし、ガラスコーティングなら塗装の保護と紫外線によるダメージを防ぐことができるため、車種特有のトラブルも未然に防ぐことができるのです。

アルファード・ヴェルファイアに最適なガラスコーティングの選び方

アルファード・ヴェルファイアにはガラスコーティングが最適であることはお伝えした通りですが、問題はどこで施工してもらえばいいのかということです。

多くの方がディーラーもしくは専門店で施工されているのですが、いったいどちらが正解なのでしょうか?

答えはガラスコーティング専門店です。

実は、ガラスコーティングと言っても、その効果はコーティング剤の品質と施工技術によって大きな差が出てしまいます。ディーラーコーティングの場合、専門店と比べて品質・施工技術ともに劣ってしまうためおすすめできないのです。

ディーラーなら安心だと思われていた方も多いと思いますが、これからお伝えするガラスコーティング選びの4つのポイントと、ディーラーコーティングの問題点を確認して、どこに施工依頼するのか慎重に見極めていきましょう。

ガラスコーティングを選ぶ4つのポイント

まず、ガラスコーティングを選ぶ際には4つのポイントに注意する必要があります。

  1. コーティングの性質
  2. ガラス皮膜の硬さ
  3. 優れた施工技術(下地処理の技術)
  4. コーティング価格(コストパフォーマンス)

①.②:ガラスコーティングの品質

①と②については、ガラスコーティングの品質を左右するものになります。

③:施工店(施工者)の技術力

また、③の優れた施工技術がなければ、コーティングがすぐに剥がれてしまったりムラができてしまいます。コーティングを選ぶ際には、その種類に注目しがちですが、実は満足な施工ができる業者は少ないのです。

④コーティングの価格・コストパフォーマンス

最後に、これらを総合的に判断して④コストパフォーマンスを考慮して選べば最適なガラスコーティングがわかるでしょう

しかし、ディーラーコーティングはこの4つの条件を満たしていない場合が多く、高額な費用を払ったのに効果がないとか、すぐに剥がれ落ちてしまうといったトラブルが起きているのです。

ディーラーコーティングの問題点

ディーラーで行うコーティングはコーティングが施工された状態で納車されるため手間が無くなったり、車の購入やその他のオプションと抱き合わせで値段が安くなったり、メリットはありますが、デメリットや問題点の部分もしっかり確認しておきましょう。

①有機物を含むガラス系コーティング

まずディーラーコーティングの多くは有機物を含み、いわゆる「ガラス系」コーティングと言われるタイプが多くなります。「ガラス系」コーティングとガラスコーティングは全くの別物ですので注意しましょう。

有機物を含む「ガラス系」コーティングと完全無機質のガラスコーティングの大きな違いは耐久性にあります。有機物は紫外線や排ガスなどの外部要因により劣化しやすいので、コーティング皮膜が剥がれ落ちる原因になります。

完全無機質のガラスコーティングであれば、紫外線や排ガスなどの外部要因で劣化することはないので、基本的に剥がれることはありません。

ちなみにトヨタの純正コーティング「QMIセンチュリオンコート」はガラス系コーティングですので、紫外線や排ガスなどで劣化の恐れがあります。

②防傷効果が低く、洗車やメンテナンスに手間がかかる

コーティング皮膜が柔らかいということは、車を傷から守る効果はほとんど期待できないとも言えます。

また、コーティング施工車の洗車は手洗いが基本になりますが、手洗いで強く擦ると傷がつきやすく、剥がれの原因になってしまうため、メンテナンスには注意が必要です。トヨタのディーラー純正コーティングは専用のメンテナンスキットがあるようですが、メンテナンスキットで指定されたやり方でメンテナンスをおこな若ければならないので、決してメンテナンス性が良いとは言い切れません。

完全無機質のガラスコーティングであれば、水洗いや洗車機洗いで十分綺麗になりますので、メンテナンス性は非常に良いです。

※ガラスコーティングのメンテナンス性に関しては、レーシングドライバーの織戸学さんに解説していただいたので、ぜひコメントをご覧ください。

③外注業者が施工

実は、ディーラーコーティングといっても、実際の作業については多くが外注業者に委託していることをご存知でしょうか。これがトラブルの原因になっています。

外注先の施工店が優れた技術を持っていれば良いですが、必ずしもそうとは限りません。また、外注業者もディーラーから下請け価格で安く受注せざるを得ないので、仕事に対しての熱量がどうしても薄くなってしまいます。

また、残念なことにこのような外注先の施工店にについて、ディーラーの営業マンは把握していないので、施工技術や仕上がりの質を知らずにお客様にコーティングを勧めています。

④価格が割高

さらに、ディーラーのコーティングは外注業者に委託しているため中間マージン(仲介手数料)が発生します。つまり、ディーラーコーティングの価格は、

コーティング価格=コーティング剤の原価+ディーラーの利益+外注業者の施工料金

一方で、コーティング専門店の場合には中間マージンはありませんので次のようになります。

コーティング価格=コーティング剤の原価+専門店の施工料金

仮にコーティング剤の原価が同じであれば、ディーラーコーティングは中間マージンの分だけ割高になっているのです。

トヨタのディーラーコーティングの注意点

ディーラーコーティングのデメリットをお伝えしましたが、トヨタの場合にも同じことが言えますので確認していきましょう。

トヨタのディーラーコーティングの種類

トヨタのディーラーコーティングには、次の4つの種類があります。

  • QMIセンチュリオンコート
  • QMIグラスシーラント タイプTⅡ
  • QMIグラスシーラント
  • QMIペイントシーラント

この4種類はどれも「ガラス系」コーティングになり、耐久性、防傷効果、洗車やメンテナンス性はどれもガラスコーティングには叶いません。

はじめにお伝えした通り、車体の大きなヴェルファイアの洗車にかかる時間や労力を軽減したり、ルーフの塗装はがれの防止には向かないと言えます。

トヨタのディーラーコーティング価格

トヨタのディーラーコーティングも外注業者に委託されている場合が多く、コーティング価格には中間マージンが含まれるため割高になっています。

アルファード・ヴェルファイアの具体的な価格については各ディーラーにより異なりますが、以下の表を参考にしてください。

コーティングの種類 参考価格
QMIセンチュリオンコート 約150,000円
QMIグラスシーラント タイプTⅡ 約76,000円

センチュリオンコートは新車施工で5年間の保証されていますが、保証の条件を確認すると「※当社で年一回の点検を受けていただくことが条件となります。」という記載があります。

年1回の点検に費用はかかりませんが、点検の上、再施工が必要であれば費用がかかるようです。各ディーラーによって金額は異なるので、購入の際にはしっかりとディーラーの担当者に確認してください。

結論:アルファード・ヴェルファイアのコーティング選びのコツは「コスパ」と「防汚性」

アルファードのガラスコーティング施工後(ヘッドライトのアップ)

アルファード・ヴェルファイアは車体が大きいため、洗車には時間と労力が必要です。しかし、ガラスコーティングをすれば、大方の汚れは水洗いだけで落ちますし、洗車傷を心配することなく洗車機の利用が可能なので、メンテナンス性は高いです。

もちろん、ガラスコーティングはボディの艶や光沢を長く維持することもできますし、ルーフの塗装はがれのトラブルを防ぐためにも役立ちます。

また、コーティングを選ぶ際には単なる施工価格だけでなく、5年単位での費用対効果を考慮して、コスパが良いコーティングを選ぶと良いでしょう。

もう一度確認しますが、ガラスコーティング選びのポイントは以下の4つです。

  1. 完全無機質
  2. ガラス皮膜の硬さ
  3. 優れた施工技術
  4. コーティング価格